ひつじの添い寝SHEEP LULLABY

休日の寝だめは意味がある?取り戻せるもの・戻らないもの

公開日 2026年10月12日 / 文責 株式会社エム・ジー・ケイ

平日は短い眠りが続いて、休みの日は昼まで眠る。足りなかったぶんを、まとめて返しているつもりでいる。よくある過ごし方だと思います。この記事では、休日に長く眠って軽くなるものと、かえってずれていってしまうものを分けて整理します。長く眠るのをやめましょう、という話ではありません。同じように長く眠るのでも、起きる時刻の決め方ひとつで、月曜の朝の重さが変わってきます。

この記事でわかること
  • 眠りは前もって貯めておけないこと、休日にまとめて取り戻すこともできないと資料に書かれていること
  • 休日に長く眠ると軽くなるもの(眠気やだるさ)と、ずれていくもの(起きる時刻と体のリズム)の違い
  • 月曜の朝を重くしないための、休日の起床時刻の決め方と、昼に休む時間の使い方

眠りは、前もって貯めておけない

「寝だめ」という言葉には、ふたつの意味が混ざって使われています。ひとつは、これから忙しくなるので今のうちに眠っておく、という前借りの意味。もうひとつは、すでに足りていないぶんを、あとからまとめて返すという意味です。同じ言葉でも、この二つは中身がまったく違います。

このうち前者、つまり先に眠っておいて貯金しておくことは、うまくいきません。今日たっぷり眠ったからといって、明日の分の眠気が先に消えてくれるわけではないからです。眠気は、起きて過ごした時間が積みあがることで、その日その日にたまっていきます。明日のぶんを今日のうちに減らしておく、という使い方はできません。

いっぽう後者、足りていないぶんをあとからまとめて返すという意味のほうはどうでしょうか。この点について、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には「休日の『寝だめ』の問題点」という項目が置かれていて、次のように書かれています。

平日の睡眠不足(睡眠負債)を、休日に取り戻そうと長い睡眠時間を確保する「寝だめ」の習慣がある人は少なくありませんが、このような習慣で、実際には眠りを「ためる」ことはできません。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より)

前借りの意味でも、あとからまとめて取り戻すという意味でも、資料の立場は「ためることはできない」です。平日に短い眠りが続いたあと、休日に何もしなくても長く眠ってしまうのは確かですが、それで不足が帳消しになるわけではない、という整理になります。積みあがっていく不足そのものについては、睡眠負債のページで扱っています。

取り戻せるものは、限られている

同じ項目には、もう一歩踏みこんだ記述が続きます。

休日の寝だめでは、平日の日中の眠気は完全には解消できず、メリットは極めて限定的との報告もあります。(中略)休日に長時間の睡眠が必要な場合は、平日の睡眠時間が不足しているサインであり、平日に十分な睡眠時間を確保できるよう、睡眠習慣を見直す必要があります。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より)

ここで言われているのは二つです。ひとつは、休日に長く眠っても平日の日中の眠気が完全には消えないこと。もうひとつは、休日に長く眠る必要があること自体が、平日の眠りが足りていないしるしだということです。手をつける順番は、休日の朝ではなく平日の夜のほうが先になります。

とはいえ、休日に長く眠ることに何の意味もない、という話でもありません。次の章で見るように、その日の眠気やだるさは実際に軽くなります。軽くなるものと、戻らないものを分けて眺めておくと、休日の過ごし方を決めやすくなります。

はじめにおことわり

この記事は、休日の眠り方についての一般的な考え方を整理した読み物です。病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。休日にどれだけ長く眠っても平日の眠気が変わらないとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。

休日に長く眠ると、軽くなるもの

実感として分かりやすいのは、日中の眠気とだるさのほうです。土曜の朝に長く眠れたあと、体が少し軽い、頭のなかがすっきりしている。そう感じたことのある方は多いと思います。

  • 朝、起き上がるまでにかかる時間が短くなる
  • 昼過ぎのぼんやりする時間が短くなる
  • 細かい作業でのうっかりが減る
  • 気持ちに余裕が戻り、家族や同僚への言い方がやわらかくなる

こうした部分は、完全に元どおりとまではいかないものの、比較的よく戻ってきます。裏を返すと、長く眠った翌日に「今日は調子がいい」と感じたなら、それは平日の眠りが足りていなかったしるしでもあるということです。ふだんの状態を基準にしていると気づきにくいのですが、休日の朝との差が、そのまま不足の大きさを教えてくれます。

ですから、休日に長く眠ってしまうこと自体を悪いことのように考える必要はありません。責めるべきは休日の朝ではなく、平日に削られている時間のほうです。平日の眠りをこれ以上削らずにすむ工夫が先で、休日の眠りはその結果として短くなっていく、という順番になります。

いっぽうで、ずれていくもの

戻りにくいのは、体のなかの時計のほうです。人の体には、一日およそ24時間の周期でめぐるリズムがあり、眠くなる時刻や目が覚める時刻、体温の上がり下がりを決めています。くわしくは概日リズムのページにまとめました。

このリズムは、毎日の起床時刻や朝の光によって位置が決まっていきます。ところが、平日は7時に起きて、休日は11時に起きる。この4時間の差があると、リズムのほうも後ろへ動きます。金曜の夜に西へ4時間ぶん移動して、日曜の夜にまた戻ってくる。飛行機には乗っていないのに、そういう旅程を毎週こなしているような状態になるわけです。この状態は社会的時差ぼけと呼ばれることがあります。

体のリズムが後ろへずれたまま月曜の朝を迎えると、目覚まし時計は鳴っていても、体のほうはまだ夜中のつもりでいます。体温が上がりきっていない時間に起こされるので、起き上がるのに時間がかかり、午前中いっぱい重さが残る。「週末はよく眠ったのに、月曜がいちばんつらい」という感覚は、眠った長さではなく、このずれのほうから来ていると考えられます。

日曜の夜に眠くならない理由

休日の朝に遅く起きると、その日の夜に眠くなる時刻も後ろへ動きます。日曜の夜、明日は早いと分かっているのに目がさえてしまう。あれは意志の弱さではなく、朝を遅らせたぶんが夜に出てきているだけ、という見方ができます。

そして、眠くならないまま夜ふかしをして、月曜の朝は早く起きることになるので、週のはじめから不足が積みあがります。休日に返したはずのぶんを、日曜の夜にもう一度削ってしまう。この往復が毎週続くと、いつまでたっても追いつかない感じが残ります。夜ふかしそのものとの付き合い方は夜ふかしをやめたいときににまとめています。

取り戻すより、平日との差を小さくする

ここまでを踏まえると、休日の眠り方の目安は「たくさん眠る」より「起きる時刻をあまりずらさない」に置いたほうが、月曜の朝は楽になります。長さより、位置のほうを守るという考え方です。

休日に長く眠ったとき起きる時刻をそろえたとき
日中の眠気・だるさその日のうちは軽くなりやすい平日のうちに手当てが必要になる
起きる時刻後ろへずれていく保たれる
日曜の夜の寝つき遅くなりやすい変わりにくい
月曜の朝重く感じやすいいつもの朝に近い

とはいえ、休みの日に平日と同じ時刻に起きるのは、なかなか気が進みません。そこで折衷案として、起きる時刻は少しだけ遅らせて、足りないぶんは昼に回すという分け方があります。朝の位置はできるだけ動かさずに、眠りの量だけを足す形です。

昼に休む時間の取り方は昼寝の取り方にまとめました。夕方以降に長く眠ってしまうと、その日の夜の寝つきが遅くなりやすいので、昼過ぎまでの短い時間に置くのが扱いやすいとされています。土曜の午後に少し横になって、日曜の朝は平日に近い時刻に起きる。そのくらいの配分にしておくと、日曜の夜がだいぶ楽になります。

もともと朝が得意な方と、夜のほうが調子の出る方とでは、ちょうどよい位置も違ってきます。自分がどちら寄りかはクロノタイプのページを目安にしてみてください。夜型寄りの方が無理に早起きへ寄せると、平日のほうが苦しくなることもあります。

週末の朝と夜を、少し楽にする工夫

最後に、休日の過ごし方として取り入れやすいものを挙げておきます。どれも、やらなければいけないことではありません。ひとつ選んで、合いそうなら残す。それで十分だと思います。

  • 目が覚めたらカーテンを開ける。二度寝をするにしても、いちど外の光を入れておくと、朝であることが体に伝わりやすくなります。くわしくは朝の光の浴び方をご覧ください。
  • 起きる時刻だけ決めて、寝る時刻は決めない。眠くなる時刻は自分では動かしにくいので、動かせるほうから決めます。
  • 眠くないのに寝床で長く過ごさない。寝床にいる時間が延びるほど、寝床は「眠る場所」から「起きて過ごす場所」に近づいていきます。この見方は睡眠効率のページで扱っています。
  • 日曜の夜は、早く寝ようとしすぎない。眠くならないまま横になっていると、明日を数える時間が増えます。起きる時刻のほうを守れば、寝つきはあとからついてきます。

それでも、日曜の夜は静かすぎて落ち着かない、ということがあります。眠ろうと構えるほど、明日の予定が順番に浮かんでくる。そんな夜は、考えごとのほうを止めようとせず、耳を別のところへ預けてしまう手もあります。雨の音、小川の音、たき火の音。どれも、次に何が来るかを自分で考えなくてよい音です。眠るための音の図鑑では、音の種類ごとに特徴をまとめています。

音を流すときは、聞こえるか聞こえないかくらいまで音量を下げて、時間がきたら自動で止まるようにしておくと、止めるために起き上がらずにすみます。休日にどれだけ長く眠っても平日の眠気が変わらないとき、日中の生活に支障が出ているときは、こうした工夫をひとりで続けるよりも、医療機関にご相談いただくほうが確かです。

よくあるご質問

休日の寝だめで、平日の睡眠不足は取り戻せますか。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、休日に長く眠っても実際に眠りを「ためる」ことはできず、平日の日中の眠気は完全には解消できないため、メリットは極めて限定的だと書かれています。休日に長時間の睡眠が必要な場合は、平日の睡眠時間が不足しているサインだとも説明されています。その日の眠気やだるさは軽くなりますが、起きる時刻が大きく後ろへずれると月曜の朝が重くなりやすいので、休日に取り戻そうとするより、平日の眠りのほうを見直すのが先になります。

休日は何時まで眠ってもよいですか。

休日は何時までという具体的な時刻を定めた記述は、資料にはありません。ただし、休日に長時間の睡眠が必要な場合は平日の睡眠時間が不足しているサインだ、とは書かれています。ひとつの考え方として、休日の起床時刻を平日からあまり離さず、足りないぶんは昼過ぎまでに短く横になって足す、という分け方があります。月曜の朝の重さを目安にして、少しずつ調整してみてください。

平日と同じ時刻に起きたほうがよいと分かっていても、起きられません。

起きられない朝を責める必要はありません。まずは休日の起床時刻を、今より少しだけ早いところに置いてみてください。目が覚めたらカーテンを開けて外の光を入れると、朝であることが体に伝わりやすくなります。長く眠っても日中の眠気が続くときや、生活に支障が出ているときは、医療機関にご相談ください。

出典・参考

※本文で引用した記述は、上記「健康づくりのための睡眠ガイド2023」に記載されている内容です。本記事は寝だめで返せる割合の数値ではなく、休日の起床時刻の決め方を主題にしているため、割合や時間数の目安は扱っていません。

ご注意

この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。

眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。