クロノタイプとは|朝型・夜型というとらえ方
「クロノタイプ」は、朝型・夜型といった傾向のちがいを指す言葉です。ここでは、この言葉が何を指すのかと、公的な資料に朝型・夜型がどう書かれているのかを整理します。良い・悪いの話ではありません。
- クロノタイプは、眠りやすい時間帯の個人差を指す言葉であること
- 公的な資料にこの語は出てこず、「朝型」「夜型」と書かれること
- 年齢とともに変わるとされ、光の浴び方でも前後すること
クロノタイプとは
クロノタイプ(chronotype)とは、眠りやすい時間帯、活動しやすい時間帯の個人差を指す言葉です。日本語の「朝型」「夜型」がこれにあたります。
早い時刻に眠くなって朝に強い人もいれば、夜になってから調子が出る人もいます。その傾向のちがいをまとめて呼ぶための言葉です。
公的な資料では「朝型」「夜型」と書かれています
厚生労働省の資料を通して読むと、「クロノタイプ」というカタカナ語は出てきません。かわりに「朝型」「夜型」という言葉で説明されています。会話ではカタカナ語が通じやすい場面もありますが、資料をあたるときはこの2語で探すほうが、目当ての記述に届きやすくなります。
朝型・夜型といった傾向のちがいを指す言葉。何時に起きたら朝型、という公的な線引きは見あたりません。
朝型・夜型が前後する理由
e-ヘルスネットの「快眠と生活習慣」には、光について次のようにあります。
朝に浴びた光は体内時計の時刻を早める(朝型にする)作用があります。
逆に夕方から深夜にかけて浴びた光は体内時計の時刻を遅らせる(夜型にする)作用があり、夜が更けるほどその力は強くなります。
(厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」より)
つまり朝型・夜型は、生まれつきだけで決まるとは書かれていません。同じページには、ヒトの体内時計の周期は平均すると24時間より長く、毎日時刻調整をしなければ睡眠リズムが遅れていく、ともあります。土台のしくみは概日リズムと体内時計のページで扱っています。
年齢とともに変わっていく
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、次のようにあります。
さらに、加齢が進むと徐々に早寝早起きの傾向が強まり朝型化することがわかっています。この傾向は特に男性で強く、適切な睡眠習慣を考える上で年代別・性別の配慮が必要となります。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」睡眠に関する基本事項 より)
「昔は夜更かしが平気だったのに」という感覚は、めずらしくないようです。クロノタイプは生涯変わらない性質ではなく、年代によって動くものとして書かれています。
「夜型は直すべき」と言い切れない理由
資料は、夜型そのものを悪いとは書いていません。書かれているのは、光を浴びる時刻と寝起きの時刻の規則性です。
一方で、生活の都合と眠りやすい時間帯がずれていると、平日に眠る時間が足りなくなりやすいという指摘はあります。夜型かどうかより、眠りやすい時間帯と起きなければならない時刻がどれくらい離れているかを見るほうが、困りごとに近くなります。
働く時間帯を選べない場合もあります。その考え方は夜勤・交代勤務の眠り方で、夜更かしを終わりにしたい夜については夜更かしをやめたい人へで扱います。
平日と休日のずれ、という見方
同じガイドには、休日の「寝だめ」について次の記述があります。
国際的には週末の眠りの取り戻し(Weekend catch-up sleep)と呼ばれ、毎週末(休日)に時差地域への旅行を繰り返すことに類似していることから、社会的時差ボケ(Social Jetlag)とも呼ばれます。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」成人版「休日の『寝だめ』の問題点」より)
平日は早く起き、休日は昼まで眠る。その差が大きいほど、からだは毎週旅に出ているような状態になる、という見方です。同じガイドには、休日に長時間の睡眠が必要な場合は平日の睡眠時間が不足しているサインだ、ともあります。
| よく聞く言い方 | 資料にそった受けとめ方 |
|---|---|
| 自分は夜型だから仕方ない | 体内時計の時刻は光の浴び方でも前後する。決めつける前に、朝の光と寝起きの時刻を見てみる |
| 夜型は直さないといけない | 「夜型を直す」という書き方は見あたらない。書かれているのは光と生活の時刻の規則性 |
| 休日にたっぷり寝れば取り返せる | 休日の寝だめは社会的時差ぼけとも呼ばれる。平日の睡眠時間そのものの見直しが挙げられている |
眠りやすい時間帯は人それぞれです。それでも、朝に光を浴びる時刻と、平日と休日の寝起きの幅を小さくしておくことは、どのタイプにも共通して挙げられています。夜を静かに区切りたいときは、照明を落とす、小さめの音を流すのも手がかりです。眠れない状態が続くときや、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。
よくあるご質問
クロノタイプは、生まれつき決まっているのですか。
公的な資料に「クロノタイプ」という語は見あたりませんが、朝型・夜型については、朝に浴びた光が体内時計の時刻を早め、夕方から深夜の光が遅らせる、と説明されています。また「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、加齢が進むと徐々に朝型化するとあります。生まれつきだけで決まるとは書かれていません。
夜型は直したほうがよいのですか。
公的な資料に「夜型を直す」という書き方は見あたりません。書かれているのは、起床後から午前中に光を浴びること、寝起きの時刻をおおよそそろえることです。夜型かどうかより、眠りやすい時間帯と起きる必要のある時刻の離れぐあいを見るほうが、困りごとに近くなります。
平日と休日で起きる時刻が大きくちがいます。
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、休日の寝だめは国際的に「社会的時差ボケ(Social Jetlag)」とも呼ばれると説明されています。同じガイドには、休日に長時間の睡眠が必要な場合は平日の睡眠時間が不足しているサイン、とも書かれています。
出典・参考
- 厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣(引用箇所)
- 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(PDF・睡眠に関する基本事項/成人版「休日の『寝だめ』の問題点」)
- 厚生労働省 睡眠対策
ご注意
この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。
眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。