ひつじの添い寝SHEEP LULLABY

昼寝のとり方|長さと時間帯の一般的な考え方

公開日 2026年9月11日 / 文責 株式会社エム・ジー・ケイ

昼食のあと、どうにも眠い。少しだけのつもりで横になったら、目が覚めたときには1時間半が過ぎていて、頭は重く、その日の夜はなかなか眠くならない。昼寝は、長さと時間帯を先に決めておくかどうかで、後味がずいぶん変わります。この記事では、公的な資料に書かれている一般的な考え方と、そのとおりに切り上げるための段取りをまとめます。

この記事でわかること
  • 昼寝の長さの目安として公的な資料に書かれている数字(15分程度、高齢者は30分程度)
  • 長く寝たあとに残るぼんやり感と、時間帯が夜と取り合いになるという見方
  • 決めた時間で起きるための段取り。目覚ましとスリープタイマーの役割のちがい

長さは「短めで十分」と書かれています

昼寝について調べると、15分、20分、30分と、いろいろな数字が出てきます。厚生労働省が運営する情報サイト「e-ヘルスネット」の、生活習慣と睡眠についてまとめたページには、こう書かれています。

昼寝は午後の眠気を解消し活力を与えてくれます。15分程度の長さで十分です。高齢者では30分程度の昼寝を上手に利用することで、夕方のうたた寝が減少し、夜によく眠れるようになることもあります。
(厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」より)

まず15分程度、高齢の方は30分程度。これが公開されている資料の目安です。長く寝るほどよい、という書かれ方はしていません。

「十分です」という書き方に注目する

15分といえば、横になってうとうとしはじめたころに終わる長さです。もっと寝ないと足りない気がする、という方も多いと思います。それでも、ここでの書き方は「15分では足りないので延ばしましょう」ではなく、「15分で十分」です。長い時間をあてるより短く区切るほうへ、という向きで書かれた文章だと読めます。

なお、必要な睡眠の長さには個人差があります。ここでの数字も、誰にでもあてはまる決まりではなく、目安として置かれているものです。

この記事の立場

この記事は、公開されている資料に書かれていることを整理した読み物です。医学的な助言をするものではありませんし、昼寝のとり方で眠りの悩みが解決する、という話でもありません。日中の眠気が強く続くときや、生活に支障が出ているときは、記事の内容を試すより先に医療機関へご相談ください。

長く寝るほど、起きたあとが重くなります

昼寝を長くとったあと、頭がぼんやりして、しばらく使いものにならない。この「起きたあとのぼんやり感」には、睡眠慣性という言葉があてられています。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、夜勤をしている方に向けた項目があり、そのなかで仮眠の長さについて触れられています。長すぎる仮眠では眠りが深まり、目覚めたあとに強いぼんやり感が生じやすい、という説明です。眠りの深さに段階があることは、ノンレム睡眠という言葉で説明されます。

20〜50分と60分を比べた記述

同じガイドには、長さのちがいについて、次のように書かれています。

0〜4時に開始する20〜50分間の仮眠は、眠気や仕事効率、疲労を改善させることが報告されています。しかし、仮眠時間を60分間と長めに設定した研究では、仮眠をとるとかえって仕事の効率が低下したと報告されています。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」就業形態(交替制勤務)と睡眠の課題について より)

ここで大事なのは、この記述が夜勤中の仮眠についてのものだという点です。時刻も「0〜4時」と限定されていますから、昼休みの昼寝にそのまま持ちこめる数字ではありません。それでも「長くすればするほどよい、というわけではないらしい」という向きは読み取れます。長さを決めかねたときは、長いほうではなく短いほうへ寄せる。そのくらいの目安として受け取っておくのが、無理のない読み方だと思います。

時間帯——夕方に近づくほど、夜と取り合いになります

長さと並んで気になるのが、いつ寝るかです。先ほど引用した文章では、昼寝は「午後の眠気」に対するものとして書かれていました。そして同じ文のなかで、夕方のうたた寝は減らしたいものの側に置かれています。高齢の方が30分程度の昼寝を上手に使うことで「夕方のうたた寝が減少し、夜によく眠れるようになることもあります」という書き方です。

夕方に眠れば、夜に寝床へ入る時刻までの間隔はそれだけ短くなります。昼寝と夜の眠りが近づくほど、両者は取り合いになりやすい、という見方ができます。

時間帯については、e-ヘルスネットに「日中に眠気があるときは午後3時前までに30分以内の昼寝をとると効果的です」という記述もあります(出典はページ末尾に記載しています)。何時までと厳密に線を引く性質のものではありませんが、午後の早い時間に、短くというのが、公開されている資料に共通する向きです。

見落としやすいところ

意識して横になったものだけが昼寝ではありません。帰りの電車での居眠り、夕食後にソファでうとうとした時間も、体からすれば同じことをしています。「昼寝はしていないのに夜眠くならない」というときは、この手の時間が積み上がっていないか、思い返してみてください。

年代によって、書かれていることが変わります

昼寝の話は、対象となる年代によって書かれ方が変わります。同じ「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、こども版と高齢者版では内容がまったく違います。

こどもの昼寝

こども版には、昼寝が必要かどうかを尋ねる質問と回答が載っています。4〜5歳以降は昼寝の必要性が低下し、昼寝をすることでかえって夜の寝つきの悪さ、睡眠不足、朝の目覚めの悪さなどが悪化する可能性が報告されている、という説明です。そのうえで、夜の寝つきが悪い幼児については、昼寝をしない選択肢が望ましい可能性がある、と書かれています。

年齢と、その子の夜の様子。この2つを見て決めるもので、一律に「こどもは昼寝をするもの」とはされていない、ということです。

高齢の方の昼寝

高齢者版では、推奨事項のひとつとして、次のように書かれています。

長い昼寝は夜間の良眠を妨げるため、日中の長時間の昼寝は避け、活動的に過ごす。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」高齢者版 推奨事項より)

先に引用した「高齢者では30分程度」という目安と、この「長時間は避ける」という推奨は食い違いません。避けたいのは、気がついたら1時間、2時間と続いていた昼寝のほうです。

書かれていることどこに書かれているか誰に向けたものか
15分程度の長さで十分e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」一般
30分程度の昼寝を上手に利用するe-ヘルスネット「快眠と生活習慣」高齢者
日中の長時間の昼寝は避け、活動的に過ごす睡眠ガイド2023 高齢者版 推奨事項高齢世代
4〜5歳以降は昼寝の必要性が低下する睡眠ガイド2023 こども版 Q&Aこども
20〜50分の仮眠と、60分の仮眠の比較睡眠ガイド2023 交替制勤務の項夜勤中の人

こうして並べてみると、数字そのものより「誰に向けて、どの場面について書かれたものか」のほうが大きいことが分かります。見かけた分数を試すときは、その数字の出どころを確かめておくと判断しやすくなります。

決めた時間で起きるための段取り

ここまでは長さと時間帯の話でした。ただ、実際に困るのはたいてい別のところです。決めた時間で起きられない。15分のつもりが1時間になってしまう。これに尽きます。

この点については、睡眠ガイド2023の高齢者版に、はっきりした書きぶりがあります。日中の長時間の昼寝は避けるようにしましょう、として、目覚ましをかける、同居者に起こしてもらうなどの工夫が有効です、と続きます。気合いで起きるのではなく、起こしてもらう仕組みを先に用意しておく、という話です。

段取りとしては、こんな順番になります。

  1. 横になる前に、終わりの時刻を決めます(15分程度から試すと、後戻りしやすいです)
  2. 先に目覚ましをかけます。横になってからではなく、横になる前に
  3. 音を流すなら、その音が止まる時間も決めておきます
  4. 起きたら、明るいところへ移動します

4つめについて補足します。e-ヘルスネットには、昼間に明るい光を浴びることで、夜に分泌されるメラトニンというホルモンが増えることが知られている、という記述があります。起きたらカーテンを開ける、外へ出るという動きは、昼と夜のメリハリの点でも理にかなっています。

なお、カフェインについては、敏感な方は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよい、と同じページに書かれています。夕方以降の一杯は、夜の眠りのほうに響くことがあります。

タイマーは「音を止める」もの、目覚ましは「起こす」もの

音を流しながら昼寝をする方に、ひとつだけお伝えしておきたいことがあります。音楽アプリなどのスリープタイマーは、時間がきたら音を止めるための仕組みであって、鳴って人を起こすためのものではありません。当アプリ「ひつじの添い寝」のスリープタイマーも同じです。

ですから、「30分のタイマーをかけたから30分で起きられる」とはなりません。音が静かに消えたあと、そのまま眠りつづけることは十分にありえます。起きる仕掛けは目覚ましで、音を止める仕掛けはタイマー。この2つは役割が別なので、両方をかけておくのが確実です。

音を使うときに気をつけたいことも、夜と同じです。

  • 音量は「意識を向ければ聞こえる」くらいまで小さくします
  • イヤホンで流すときは、音量と耳への負担に気をつけ、時間は短めにします
  • 職場などでは、まわりに聞こえていないか確かめます
  • 音が急に止まるより、少しずつ小さくなるほうが気づかれにくいようです

頭のなかで言葉を数えて過ごす方法もありますが、外から流れてくる音に任せるほうが気楽だ、という方もいます(羊を数えても眠れないのはなぜのページでも触れています)。

最後にもうひとつ。昼寝では追いつかないほど眠い日が続くときは、そもそも夜の眠りが足りていないのかもしれません。足りない眠りが積み重なった状態は睡眠負債という言葉で説明されることがあります。昼寝は、夜の眠りの代わりになるものとしては書かれていません。眠りそのものについて気になることがあるときは、公的機関がまとめている情報にあたる方法もあります。厚生労働省は睡眠に関する情報を公開しています(ページ末尾の「出典・参考」をご覧ください)。

よくあるご質問

昼寝は、どれくらいの長さがよいのでしょうか。

厚生労働省のe-ヘルスネットには「15分程度の長さで十分です」、高齢者については「30分程度の昼寝を上手に利用する」と書かれています。ただし必要な長さには個人差があります。何分にするかを迷うより、決めた時間で起きられるように目覚ましをかけておくほうが、後味の差になりやすいようです。

夕方に眠くなったときは、寝てしまってもよいですか。

寝てはいけない決まりはありません。ただ、夕方の時間は夜に寝床へ入る時刻と近いので、そこで眠ると夜の眠りと取り合いになることがあります。眠ってしまいそうなときは、短く切り上げる、いったん立って明るいところへ移るなど、いつもより早めに区切る方法があります。

昼寝のときに、アプリの音を流しても大丈夫ですか。

「ひつじの添い寝」のスリープタイマーは、時間がきたら音を止めるためのものです。鳴って起こす機能はありませんので、決めた時刻に起きたいときは目覚ましを別に用意してください。音量は控えめにし、イヤホンで流すときは耳への負担にも気をつけてください。

出典・参考

ご注意

この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。

眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。