カフェインとは|眠りとのかかわりと「半減期」という言葉
「カフェイン」は、コーヒーやお茶の話といっしょによく出てくる言葉です。ここでは、この言葉が何を指しているのかと、眠りの話でならんで出てくる「半減期」という語の意味を、公的な資料の記述にそって整理します。
- カフェインは、コーヒー・緑茶などに含まれ、覚醒作用があるとされる成分であること
- 「半減期」は、体の中の量が半分になるまでの時間を指す言葉であること
- 公的な資料には、1日400mgという目安と、夕方以降の摂取についての記述があること
カフェインとは
カフェイン(caffeine)とは、コーヒーや緑茶などに含まれ、覚醒作用があるとされる成分のことです。眠りの話題では、「目が冴えてしまう」という文脈で登場します。
厚生労働省の e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」には、次のように書かれています。
コーヒー・緑茶・チョコレートなどカフェインが含まれる飲食物は覚醒作用があります。
(厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」より)
同じページには、カフェインの代謝には個人差があり、敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよい、とも書かれています。
どんな飲みものに、どれくらい入っているか
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、飲料中のカフェイン量の表が載っています。
| 飲料 | カフェイン濃度 |
|---|---|
| コーヒー | 60mg/100ml |
| 玉露 | 160mg/100ml |
| 紅茶 | 30mg/100ml |
| エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料 | 32〜300mg/100ml(製品による) |
(同ガイド 表1「飲料中のカフェイン量」より作成)
「半減期」とは、量が半分になるまでの時間のこと
カフェインの話には「半減期」という語が出てきます。意味は単純で、体の中にある量が半分になるまでにかかる時間のことです。同じガイドには、次のように書かれています。
カフェインの代謝には個人差があり、日本人の血中半減期(血液中のカフェイン濃度が半分になるのに要する時間)も3~7時間とばらつきがあります。半減期が5時間であった場合、たとえば朝9時に400mgのカフェインを一度に摂取すると、14時に200mg相当、19時に100mg相当のカフェインが体内に残存することとなります。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」INFORMATION3 睡眠と嗜好品について より)
注意したいのは、半減期が「効き目がなくなるまでの時間」ではない点です。半分になった時点でも、残りは体の中にあります。資料の例では、朝に飲んだ分が夜まで残っている計算になっています。
もうひとつは、3〜7時間という幅です。同じ量を同じ時刻に飲んでも、減り方は人によって違います。
資料に書かれている「1日400mg」という目安
同じ資料のポイント欄には、量と時刻について2つの記述があります。
カフェインの摂取量は1日400mg(コーヒーを700cc程度)を超えると、夜眠りにくくなる可能性がある。
カフェインの夕方以降の摂取は、夜間の睡眠に影響しやすい。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」INFORMATION3 睡眠と嗜好品について ポイントより)
400mgの目安は、ドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700cc)に含まれる量、と書かれています。1日の合計の話なので、朝の1杯・昼の1杯と足していく見方になります。なお、これは成人についての記述で、こども・高齢者・妊娠中の方はさらに減らすように、と別立てで書かれています。
同じ資料の本文には、量と時刻の組み合わせについて、もう少し具体的な記述もあります。
18~65歳までの成人を対象とした系統的レビューでは、カフェイン摂取量が107mgを超過すると、摂取時刻が就寝時刻の約9時間前であっても、夜間の睡眠に影響し、カフェイン摂取量が217.5mgを超過すると、約13時間前の摂取であっても夜間の睡眠に影響することが示されています
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」INFORMATION3 睡眠と嗜好品について より)
「夕方以降」という時刻の目安に加えて、飲んだ量が多い日はもっと早い時刻の摂取でも影響しうる、という書き方です。時刻だけでなく、その日の合計量とあわせて見る必要があります。
よくある言い方と、言い切れないところ
身近な話題だけに、言い切りの形で語られがちです。3つだけ整理しておきます。
- 「夜に飲まなければ大丈夫」——資料は、総量(1日400mg)と時刻(夕方以降)の両方に触れています。
- 「効かない体質だから関係ない」——個人差があるのは減り方の話で、眠気を感じないことと夜の眠りに影響がないことは別です。
- 「コーヒーさえ気をつければいい」——お茶やエナジードリンクにも含まれます。
目安としての受けとめ方
よく聞く言い方と、資料にそった受けとめ方を並べます。
| よく聞く言い方 | 資料にそった受けとめ方 |
|---|---|
| カフェインは寝る前に飲まなければよい | 時刻に加えて、1日の合計量にも記述がある |
| 効果は数時間で切れる | 半減期は3〜7時間とばらつきがあり、半分になっても残っている |
| コーヒーだけの問題 | 緑茶・紅茶・エナジードリンクなどにも含まれる |
飲んだ時刻と量を、その夜の寝つきといっしょに眺めてみると、自分なりの線引きが見えてきます。関連する言葉として、睡眠慣性やパワーナップ、体内時計のページもあります。夜のコーヒーを何時までにするかという時刻の決め方は、コーヒーは何時まで?のページで扱っています。
飲みものを見直したあとは、部屋の明るさや音といった環境もあわせて眺めてみてください。眠れない状態が続くときや、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。
よくあるご質問
カフェインは、寝る何時間前までにしておけばよいのですか。
「何時間前まで」と一律に決めた数字は見あたりません。厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」には、代謝には個人差があり、敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよい、と書かれています。「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、夕方以降の摂取は夜間の睡眠に影響しやすい、とあります。
「半減期」とは、どういう意味の言葉ですか。
体の中にある量が、半分になるまでにかかる時間のことです。「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、日本人の血中半減期は3〜7時間とばらつきがあると書かれています。効き目がなくなるまでの時間ではなく、半分になった時点でも残りは体の中にあります。
コーヒー以外の飲みものにもカフェインは入っていますか。
入っています。「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の表には、コーヒーが60mg/100ml、玉露が160mg/100ml、紅茶が30mg/100ml、せん茶とウーロン茶が20mg/100mlと示されています。
出典・参考
- 厚生労働省 e-ヘルスネット 快眠と生活習慣(本文中の引用箇所)
- 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(PDF・INFORMATION3 睡眠と嗜好品について)
- 厚生労働省 睡眠対策
ご注意
この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。
眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。