ひつじの添い寝SHEEP LULLABY

睡眠慣性とは|起きた直後にぼんやりする時間の正体

公開日 2026年9月5日 / 文責 株式会社エム・ジー・ケイ / 更新日 2026年9月10日

目は覚めているのに、頭がまだ動き出さない。昼寝から起きたあと、かえって重たい感じが残る。あの時間には「睡眠慣性」という呼び名があります。公的な資料の説明をもとに、やさしく整理します。

この記事でわかること
  • 睡眠慣性は、目が覚めた直後のぼんやりした状態を指す言葉であること
  • 眠りが深まったところから起きたときに生じやすい、と説明されていること
  • 昼寝や仮眠とのつきあい方について、資料に書かれていること

睡眠慣性とは

睡眠慣性(すいみんかんせい)とは、眠りから覚めた直後に残るぼんやりとした状態を指す言葉です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、仮眠についての説明のなかに、この言葉が出てきます。

これは、仮眠が長すぎると眠りが深まり、覚醒後の強いぼんやり感(睡眠慣性)が生じやすいためと考えられます。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より)

病気の名前でも、診断名でもありません。だれにでも起きる状態を、ひとことで言いあらわすための表現です。

「慣性」という言葉づかい

慣性は、動いているものが動き続けようとする性質を指す言葉です。眠っていた状態がしばらく尾を引く——そんなイメージで受け取ると、意味をつかみやすくなります。

ポイント

睡眠慣性は「目が覚めた直後のぼんやり」を指す言葉。眠りが深まったところから起きたときに、強く出やすいと説明されています。

深い眠りから起きたときに生じやすい

先ほどの引用にあるとおり、資料では眠りが深まってから起きたときに、ぼんやり感が生じやすいと説明されています。同じ時間だけ眠っても、どのあたりで目を覚ましたかで、起きぎわの感じ方は変わるということです。

厚生労働省のe-ヘルスネット「眠りのメカニズム」には、ひと晩の眠りは深いノンレム睡眠から始まり、朝方に向かって徐々に浅いノンレム睡眠が増えていくと書かれています。そのあいだにレム睡眠がくり返しあらわれます。眠り始めてまもない時間帯は、眠りが深くなりやすい時間帯だといえます。

目覚めには「準備」がある

同じe-ヘルスネットのページには、朝の目覚めについてこう書かれています。

朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まります。また、脳の温度が自然に高くなります。このような準備状態が整って私たちは健やかな目覚めを迎えます。
(厚生労働省 e-ヘルスネット「眠りのメカニズム」より)

目覚めは、スイッチのように切り替わるものではなく、少しずつ準備が進んでいくもののようです。その準備が整いきる前に起きれば、しばらくぼんやりが残る——そう考えると、起きぎわの感覚にも納得がいきます。

昼寝・仮眠とのつきあい方

同ガイドの交替制勤務についての項目では、夜勤中の仮眠に関する報告が紹介されています。仮眠時間を60分間と長めに設定した研究では、仮眠をとるとかえって仕事の効率が低下したと報告されています。

また、コーヒーなどでカフェインをとってから仮眠を始めると、仮眠後の目覚めが容易になり、睡眠慣性も生じにくくなるとの報告がある、とも書かれています。いずれも夜勤中の仮眠についての記述ですが、長さの目安として参考になります。

高齢者版では、日中の長時間の昼寝は避けるようにしましょう、として、目覚ましをかける、同居者に起こしてもらうといった工夫が挙げられています。眠る前に、起きる時刻を決めておくということですね。

夜のうちにできること

起きぎわのぼんやりを完全になくす方法はありませんが、資料で紹介されている工夫は、どれも身近なものです。

  • 寝る時刻と起きる時刻を、おおよそそろえてみる
  • 朝はカーテンを開けて、部屋を明るくする(同ガイドのこども版では、起床時の日光浴が紹介されています)
  • 昼寝をするなら、長くなりすぎないよう先に目覚ましをかけておく
  • 夜は部屋の明かりをやわらげ、眠りにつくまでのひとときを静かに過ごす

朝のことのようでいて、その多くは前の晩から始まっています。夜の過ごし方を少し整えることが、翌朝の自分への手みやげになるかもしれません。

よくあるご質問

睡眠慣性は病気の名前ですか。

病名ではなく、目が覚めた直後のぼんやりとした状態を言いあらわすための言葉です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、仮眠についての説明のなかで「覚醒後の強いぼんやり感(睡眠慣性)」という形で使われています。日中の眠気やだるさが続いて生活に支障が出ているときは、医療機関にご相談ください。

昼寝は長いほうが、よく休めますか。

同ガイドの高齢者版では、長い昼寝は夜間の良眠を妨げる原因になりうるため、日中の長時間の昼寝は避けるようにしましょう、と書かれています。目覚ましをかける、同居者に起こしてもらうといった工夫も紹介されています。必要な睡眠時間には個人差があるとも書かれていますので、ご自身の感じ方も目安にしてみてください。

起きた直後のぼんやりを短くする方法はありますか。

確実な方法として言いきれるものはありません。厚生労働省の資料では、起きる時刻をおおよそそろえること、朝に太陽の光を浴びることが、生活リズムの工夫として紹介されています。まずは寝る時刻と起きる時刻の幅を小さくするところから試してみるのがおすすめです。

出典・参考

ご注意

この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。

眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。