ひつじの添い寝SHEEP LULLABY

コーヒーは何時まで?寝る前のカフェインとの付き合い方

公開日 2026年10月9日 / 文責 株式会社エム・ジー・ケイ

夕方のコーヒーを飲むかどうか、迷ったことはないでしょうか。「何時までなら大丈夫」という数字を探してみても、書かれている時間はまちまちで、けっきょくよく分からない。そんな方に向けて、厚生労働省が公開している資料に書かれている範囲だけを使って、時間の目安の考え方を整理します。誰にでも当てはまるひとつの正解をお出しするものではありません。

この記事でわかること
  • 公的な資料が「何時間前まで」「1日にどれくらい」をどう書いているか
  • 半減期という考え方と、同じ1杯でも人によって差が出る理由
  • コーヒーをやめずに、最後の1杯の時刻だけをずらしていく工夫

「何時まで」に、決まった正解はない

「夕方にコーヒーを飲んだ日は、なんとなく寝つきが悪い気がする」。そう感じている方がいる一方で、夜遅くに飲んでも平気だという方もいます。同じ1杯でも受けとめ方がここまで違うので、「就寝の何時間前まで」を全員一律に定めた線は、公的な資料にも示されていません。ただし、その日にとった量に応じて、どのくらい前の摂取から夜の眠りに響きうるかを述べた記述はあります。

そのうえで、目安として参照できる記述はあります。厚生労働省のe-ヘルスネット「快眠と生活習慣」には、次のように書かれています。

コーヒー・緑茶・チョコレートなどカフェインが含まれる飲食物は覚醒作用があります。カフェインの代謝には個人差があり、敏感な人は、就寝の5~6時間前から控えた方よいでしょう。
(厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」より)

読みかたで大事なのは、「敏感な人は」という条件がついていることです。全員が就寝の5〜6時間前でやめなければならない、と書いてあるわけではありません。逆にいえば、自分が敏感なほうなのかどうかで、目安の位置が変わってきます。

半減期という考え方

なぜ人によって差が出るのかを説明するときに使われるのが、半減期という言葉です。血液中の濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、日本人の血中半減期が3〜7時間とばらついている、と書かれています。

同じ資料には、半減期が5時間だった場合の計算例も載っています。朝9時に400mgのカフェインを一度にとると、14時に200mg相当、19時に100mg相当が体内に残っている、という説明です。半減期が3時間の人と7時間の人とでは、同じ時刻に飲んでも夜に残っている量がまったく違ってきます。「何時間前まで」の答えが人によって違うのは、このためです。

この記事で扱わないこと

カフェインが体によいか悪いかという話や、飲む量そのものの健康影響については扱いません。ここで見ていくのは、あくまで「夜の眠りとの時間の関係」だけです。持病があって医師から飲みものの指示を受けている方は、そちらを優先してください。

時刻だけでなく「1日の量」も見られている

「何時まで」を気にしている方には見落とされがちなのですが、資料では時刻と同じくらい、1日の合計量が取り上げられています。先ほどの睡眠ガイドは、要点として次の2行を挙げています。

カフェインの摂取量は1日400mg(コーヒーを700cc程度)を超えると、夜眠りにくくなる可能性がある。
カフェインの夕方以降の摂取は、夜間の睡眠に影響しやすい。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より)

400mgと言われてもぴんと来ませんが、同じ資料には目安も書かれていて、ドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700cc)、市販のペットボトルコーヒーで1.5本分(750cc)にあたる量だとされています。朝から夕方までこまめに飲んでいると、思ったより早く近づく量かもしれません。

そして同じ資料には、量と時刻を結びつけた記述もあります。「何時間前まで」を考えるときに、いちばん近い手がかりになる部分です。

18~65歳までの成人を対象とした系統的レビューでは、カフェイン摂取量が107mgを超過すると、摂取時刻が就寝時刻の約9時間前であっても、夜間の睡眠に影響し、カフェイン摂取量が217.5mgを超過すると、約13時間前の摂取であっても夜間の睡眠に影響することが示されています。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より)

先ほどの目安(400mgでドリップコーヒー4杯分)から単純に割り戻すと、107mgは1杯強、217.5mgは2杯強にあたります。この割り戻し自体は資料に書かれているものではありませんが、日常の量からそれほど遠くない数字だということは分かります。その日の合計量が増えるほど、影響が出うる時刻は就寝からより前へさかのぼる。これが資料の書き方です。

資料に書かれている内容を、そのまま並べておきます。

観点資料に書かれていること
1日の合計合計は400mgを超えないように。目安はドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700cc)、市販のペットボトルコーヒーで1.5本分(750cc)
時間帯夕方以降は、カフェインを含む食品・飲料を控えることが推奨されている
量と時刻107mgを超えると就寝の約9時間前、217.5mgを超えると約13時間前の摂取であっても、夜間の睡眠に影響したという報告が紹介されている
個人差日本人の血中半減期は3〜7時間とばらつきがある
こども1日あたり1〜3mg/kg以上で睡眠に影響が生じると報告されている(体重30kgなら30〜90mg)
高齢者加齢に伴って代謝の働きが下がるため、少ない量でも影響しうる

時刻と量は別々の話ではありません。同じ「夜7時の1杯」でも、その日それまでに何杯飲んでいたかで、体に残っている合計は変わります。時刻だけを守っていれば安心、という話ではないところが、この目安のややこしいところです。

自分の「何時まで」を決めてみる

ここまでの内容から、自分なりの線を引いてみます。作り方は単純で、いつも寝床に入る時刻から逆算するだけです。e-ヘルスネットの「就寝の5〜6時間前」を、まず手がかりになる線として置いてみると、次のようになります。

寝床に入る時刻就寝の6時間前就寝の5時間前
23時ごろ17時18時
0時ごろ18時19時
1時ごろ19時20時

この表は、資料に書かれている時間をそのまま当てはめて並べただけの早見表です。ここに書いた時刻を過ぎたら眠れなくなる、という意味ではありませんし、あなたに当てはまることを示すものでもありません。また、これがいちばん手前の線でもありません。先ほど見たとおり、その日の合計量が多いときは、この表より前に線が来ることが資料には書かれています。あくまで出発点として使ってください。

使い方としては、まず「夕方以降は控える」から始めて、それで夜の感じ方が変わらなければ少し後ろへ、変わったと感じたら少し前へ、と動かしていくのが現実的だと思います。1日単位で判断すると、その日の疲れ方や予定に左右されてしまうので、2週間くらいの幅で眺めるとぶれが減ります。

コーヒー以外にも入っています

時刻を決めても、うっかりということはあります。カフェインを含む代表的な飲みものとして、睡眠ガイドはコーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、コーラタイプの飲料、エナジードリンク、一部の清涼飲料水を挙げています。先ほどのe-ヘルスネットは、飲みものだけでなくチョコレートにも触れていました。

とくに注意が要るとされているのがエナジードリンクで、同じ資料には、コーヒーの5倍近いカフェインを含む製品が存在する、と書かれています。夜の作業のおともにする方は、量の面から見直す価値があります。

置き換え先についても記述があります。茶類のカフェインは茶葉に含まれるため、茶葉を使っていない麦茶、そば茶、黒豆茶、とうもろこし茶、カフェインを含まないハーブティーなどに替えるのもよい、という説明です。温かいものが飲みたいだけの夜は、こちらで十分足りることが多いはずです。

やめるのではなく、時刻をずらす

夜のコーヒーが習慣になっている方に「やめましょう」と言っても、たいてい続きません。おすすめしたいのは、やめる・やめないではなく、その日の最後の1杯の時刻を決めるという考え方です。

  • いきなり大きく動かさない。1週間ごとに30分ずつ早める、くらいの幅にとどめます。
  • 置き換え先を先に決めておく。夕食後の1杯を麦茶や白湯にしておくと、「飲まない」ではなく「別のものを飲む」になります。
  • 買うときに確かめる。カフェインレスと書かれた商品を選ぶだけで、時刻の線を引き直さずに済むことがあります。
  • 眠気覚ましとして頼りきらない。睡眠ガイドには、続けて摂っていると眠気覚ましとしての働きが弱まり、依存も生じるという記述があります。
  • できた日を数えない。守れた日数を記録しはじめると、それ自体が夜の気がかりになります。

夜の時間の使い方全体を見直したいときは、夜更かしをやめたい人へもあわせてご覧ください。飲みものと同じで、意志の強さではなく「終わりの合図」を決めるほうが続きやすい、という話をしています。

「夜に飲んでも眠れる」という感覚について

ここまで読んで、「でも自分は夜に飲んでも眠れている」と感じた方もいると思います。その感覚については、睡眠ガイドのなかにも同じ質問が載っていて、代謝の能力には個人差が大きく、微量でも眠りに影響する人から、多量でもあまり影響のない人までさまざまだ、と答えられています。

あわせて、寝つきに問題がない場合でも、睡眠時間が短くなることや深い睡眠が減ることは多くの人にみられるため注意が必要、とも書かれています。つまり「寝つけたかどうか」だけでは判断しきれない部分がある、というのが資料の立場です。

とはいえ、これを気にしすぎて夜ごとに自分の眠りを採点しはじめると、今度はそちらが眠りにくさの元になります。飲む時刻を少し動かしてみて、朝の感じが変わるかどうかを、ゆるく眺めるくらいがちょうどよいと思います。

飲んでしまった夜の過ごし方

それでも、うっかり夕方に飲んでしまった日はあります。その夜にできることは、あまり多くありません。多くないからこそ、決めておくと迷わずに済みます。

  • 時計を見ない。何時になったかを確かめるほど、眠れていないことの確認になります。
  • 画面を遠ざける。手持ちぶさたでスマートフォンを手に取ってしまう夜の対処は、寝る前のスマホとの付き合い方にまとめています。
  • 部屋の明かりを落とす。眠くならないからと明るいまま起きているより、暗いなかで横になっているほうが体は休まります。
  • 音のほうに注意を預ける。雨や波のように、次に何が来るかを自分で考えなくてよい音が向いています。眠るための音の図鑑で種類ごとの特徴をまとめています。
  • 音量は小さめから。決め方は眠るときの音量の決め方をご覧ください。

翌日の眠気については、昼のうちに短く休む方法もあります。とり方には向き不向きや時間帯の目安があるので、昼寝のとり方を先にご覧いただくと、夕方の眠気とコーヒーの追加、という循環に入りにくくなります。

なお、飲む時刻を早めても夜の状態が変わらないとき、眠れない状態が続くときや日中の生活に支障が出ているときは、飲みものの調整だけで抱えこまず、医療機関にご相談ください。

よくあるご質問

コーヒーは何時までにすればよいですか。

一律の正解はありません。厚生労働省のe-ヘルスネットには、カフェインの代謝には個人差があり、敏感な人は就寝の5〜6時間前から控えたほうがよいという記述があります。健康づくりのための睡眠ガイド2023では、夕方以降は控えることが推奨されています。まずは夕方以降を目安にして、ご自身の感じ方に合わせて前後にずらしてみてください。

カフェインの少ないものなら、夜に飲んでも問題ありませんか。

カフェインの量という点では、含まれていないものや少ないものに置き換えることは、資料に書かれている考え方にそっています。ただし、温かい飲みものを寝る直前にたくさん飲めば、夜中にお手洗いで目が覚めることもあります。量と時刻は、カフェインの有無とは別に考えてみてください。

夜にコーヒーを飲んでも眠れます。気にしなくてよいですか。

健康づくりのための睡眠ガイド2023には、代謝の能力には個人差が大きく、微量でも影響する人から多量でもあまり影響のない人までさまざまだと書かれています。あわせて、寝つきに問題がない場合でも、睡眠時間が短くなったり深い睡眠が減ったりすることは多くの人にみられる、とされています。眠れているかどうかだけでは判断しきれない部分がある、という前提で受けとめていただくとよいと思います。

出典・参考

※本文で挙げた量・時間・目安は、上記の資料に記載されている内容です。そこに書かれていない数値や、特定の商品に含まれる量については扱っていません。

ご注意

この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。

眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。