眠るときの音量はどれくらい?小さめから始める決め方
夜に雨音や子守唄を流すとき、音量をいくつにすればよいのか。決めかねたまま、なんとなくの位置で流している方は多いと思います。この記事では、数値をねらうのではなく「小さめから少しずつ上げて、境目を探す」という決め方と、イヤホンとスピーカーでの違い、タイマーとの組み合わせ方をまとめます。
- 布団に入った姿勢のまま、小さいところから音量を決める手順
- イヤホンとスピーカーを別ものとして決め直す理由
- タイマーと組み合わせると、音量を上げすぎずにすむこと
音量は「大きいほど心地よい」わけではありません
夜に音を流す理由は、人によって少しずつ違います。外の車の音や上階の物音が気になるので、それが目立たなくなるように別の音を流しておきたい。静かすぎると考えごとが始まるので、注意を預ける先がほしい。あるいは単純に、雨音やたき火の音が好きだから。どれも自然な理由だと思います。
ただ、どの理由であっても、音量を上げれば上げるほどよくなる、というものではありません。音が大きくなると、流している音そのものが気になりはじめます。雨粒のひとつひとつが耳につく、子守唄のメロディを追いかけてしまう、次にどんな音が来るのか身構えてしまう。気にせずにいるための音が、気にする対象に変わってしまうわけです。
ですから、決め方の方向は「どこまで上げられるか」ではなく、「どこまで下げても足りるか」になります。下から探していくほうが、行きすぎにくいという単純な理由です。
この記事は、音を流すときの使い方をまとめた読み物です。音を流すことで眠りがどうなるかを説明するものではありませんし、決まった正解の数値をお伝えするものでもありません。ご自身の耳と部屋の様子にあわせて、ゆっくり探してみてください。
小さめから始めて、境目を探す
手順そのものは簡単です。音を再生したら、まず聞こえないくらいまで音量を下げます。そこからひと目盛りずつ上げていき、「あ、鳴っている」と気づいたところで手を止めます。多くの場合、その少し上あたりが落ち着きどころになります。
目安としてよく使われるのは、意識を向ければ聞こえるけれど、ぼんやりしていると気づかないくらい、という言い方です。エアコンの送風音と同じか、それより少し小さいくらい、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
覆い隠したい物音があるときは、その音よりほんの少しだけ大きく。ここでも「ほんの少し」が要点で、隠したい音よりずっと大きくしてしまうと、今度は流している音のほうが気になります。
立って操作した音量は、横になると変わります
見落としやすいのが、音量を決めるときの姿勢です。立ったまま、あるいは座ったままスマートフォンを操作しているときの耳の位置と、横になって枕に頭を預けたときの耳の位置は違います。片方の耳が枕でふさがれれば、聞こえ方も変わります。
スピーカーで流している場合はなおさらで、机の上に置いた端末から枕までの距離、間にある布団や壁の位置によって、届く音はずいぶん変わります。音量は、布団に入って寝る姿勢になってから決める。これだけで、深夜に「思ったより大きかった」と気づく回数は減ります。
大きすぎ・小さすぎのサイン
ちょうどよい位置は数値では決められませんが、外れているときのサインはわりとはっきりしています。
| 状態 | 気づきやすいサイン | 次にすること |
|---|---|---|
| 大きすぎるとき | 音の細部が耳につく/メロディや波の間隔を追ってしまう/音が消えると耳の奥に残る感じがする | ひと目盛り下げる。下げて物足りなければ半分だけ戻す |
| 小さすぎるとき | 聞こえているか確かめようとして、かえって耳をすませてしまう/外の物音のほうがはっきり聞こえる | ひと目盛りだけ上げる。上げるのは一度に1段まで |
| 落ち着いているとき | 音があることは分かるが、細かい変化は追っていない/気がつくと聞き流している | その位置を覚えておき、翌日も同じところから始める |
「聞こえているか確かめたくなる」ほど小さいのも、実は落ち着きません。確かめる作業が始まってしまうからです。羊を数えているうちに数えること自体が気になってくるのと、少し似た現象だと思います(羊を数えても眠れないのはなぜ?でも触れています)。
イヤホンとスピーカーは、別ものとして決める
同じアプリ、同じ音源でも、イヤホンとスピーカーでは条件がまったく違います。片方で決めた音量をそのまま持ち込まず、その日の出し方にあわせて決め直すのが安全です。
| くらべる点 | イヤホン | スピーカー |
|---|---|---|
| 音の届き方 | 耳のすぐそばで鳴る。周囲の音も入りにくい | 部屋の空気を通って届く。壁や家具で和らぐ |
| 音量の決め方 | とくに控えめに。長く流すならさらに下げる | 距離を離すことで、音量を上げずに調整できる |
| 気をつけること | 寝返り、コードのからまり、横向きでの耳の圧迫 | 同居の方や隣室への音漏れ |
| 向いている場面 | 同居の方を起こしたくないとき | 朝までの負担を減らしたいとき |
イヤホンのとき
イヤホンは、周囲の音が入りにくいぶん、小さめでもしっかり聞こえます。逆にいえば、スピーカーと同じ感覚で音量を合わせると、耳のそばではかなり大きな音になっていることがあります。イヤホンに替えたら、いったん音量を大きく下げてから決め直すのがおすすめです。
耳への負担は、音量と流す時間の掛け算で考えられます。夜どおし流すつもりなら、短時間なら平気な音量でも控えめにしておくほうが安心です。加えて、寝返りで外れる、コードがからまる、横向きで耳が痛くなる、といった困りごともあります。
なお「ひつじの添い寝」には、イヤホンでの再生を想定したビートモードと、そうでないときのおだやかモードがあります。出し方が変わったら音量も決め直す、という流れの目印として使っていただけます。
スピーカーのとき
スピーカーの利点は、音量つまみのほかに「距離」という調整手段があることです。枕元のすぐ横に置くのではなく、少し離れた棚や机の上に置く。それだけで、音量を上げずに音がやわらぎます。壁に向けて置いて、反射した音を聞くようにする方もいます。
気をつけたいのは、自分の耳では小さくても、同居の方や隣の部屋には届いている場合があることです。低い音は壁を通りやすいので、なおさら分かりにくくなります。翌朝ひとこと「昨日の音、聞こえた?」とたずねて、そのうえで音量を決めておくと、あとの気がねがなくなります。
タイマーと組み合わせると、音量は下げやすくなります
音量とタイマーは、別々の設定に見えて、実はつながっています。朝まで流しっぱなしにする前提だと、音量は下げにくくなるからです。夜中に目が覚めたときにも聞こえるように、と考えると、どうしても大きめに寄っていきます。
逆に、眠りに入るまでの時間だけ鳴らして自動で止まるようにしておけば、その時間さえもてばよいので、音量を小さめに保ちやすくなります。「大きくして長く流す」よりも、「小さくして必要な時間だけ流す」ほうが、扱いやすい組み合わせだと思います。
時間の決め方は単純で、ふだん布団に入ってから眠るまでにかかる時間を思い浮かべ、それより少し長めを選びます。短すぎると、音が消えたことで意識が戻ることがあります。長すぎると、眠ったあとも鳴り続けます。15分・30分・45分あたりから試し、様子を見て前後させてください。
もうひとつ、終わり方も音量に関わります。音がぷつりと切れると、その瞬間の落差で気づいてしまいます。終わりがゆっくり小さくなっていくタイプなら、切り替わりに気づきにくくなります。ここが気になる方は、フェードのある止まり方かどうかを確かめてみてください。広告や通知の音で起こされたくないときの考え方は、睡眠中に流す音は広告なしでにまとめています。
音量を上げたくなったときは、その前に「時間を延ばせば足りないか」を考えてみてください。夜中に音が欲しくて大きくしているなら、必要なのは音量ではなく再生時間かもしれません。
夜のあいだに、聞こえ方は変わります
同じ音量のまま流していても、時間が進むにつれて聞こえ方は変わります。とくに深夜は、外を走る車が減り、家のなかの生活音もなくなり、周囲が静かになります。背景が静かになれば、そこに乗っている音は相対的にはっきりと聞こえます。冷暖房が設定温度に達して送風が止まったときも、同じことが起こります。
つまり、寝入りばなにちょうどよく感じた音量が、2時間後にはやや大きく感じられることがあるわけです。これは機器の不調ではなく、まわりが変わったせいです。夜どおし流すときには、寝入りばなの感覚よりさらに一段下げておくくらいがちょうどよい、という考え方もできます。タイマーで止まる使い方なら、そもそもこの変化に付き合わずにすみます。
あわせて、画面の明るさも見直しておくと安心です。音量を調整しようとして画面をつけた瞬間に、まぶしさで目が覚めてしまうことがあります。夜間に画面を暗くする設定があるアプリなら、先にそちらを入れておくほうが、あとの操作が楽になります。
音そのものの選び方については、眠るための音の図鑑でまとめています。同じ雨音でも降り方によって感じ方が変わりますので、雨音や波の音のページもあわせてご覧ください。
今夜ためせる、3ステップ
最後に、今夜そのまま試せる手順にまとめておきます。
- 布団に入って、寝る姿勢になってから音を再生します。立ったまま決めた音量は、いったん忘れてかまいません。
- 聞こえないところまで下げてから、ひと目盛りずつ上げます。「鳴っている」と気づいたら、そこで止めます。物音を覆いたいときだけ、もうひと目盛り。
- タイマーを、ふだん眠りにつくまでの時間より少し長めにセットします。翌朝、途中で目が覚めたかどうかを思い出して、音量か時間のどちらかを一段だけ動かします。
一度で決めきろうとしなくて大丈夫です。動かすのは毎晩ひとつだけにしておくと、何が効いたのかが分かりやすくなります。数日ぶんためしてみて、いちばん静かに感じた位置を覚えておけば、それがご自分の目盛りになります。
なお、眠りそのものについて気になることがあるときは、公的機関がまとめている情報にあたるのもひとつの方法です。厚生労働省は睡眠に関する情報を公開しています(ページ末尾の「出典・参考」をご覧ください)。
よくあるご質問
音量は何デシベルにすればよいですか。
数値の正解をこの記事では示せません。部屋の静かさ、機器、耳の感じ方が人それぞれ違うためです。数値をねらうかわりに、布団に入った姿勢のまま小さいところから少しずつ上げて、意識を向ければ聞こえるくらいの位置で止める、という決め方をおすすめします。
イヤホンとスピーカーで音量は変えたほうがよいですか。
別ものとして決め直すほうが安全です。イヤホンは耳のすぐそばで鳴り、周囲の音も入りにくいため、同じ「ちょうどよく聞こえる」感覚でもスピーカーとは条件が違います。長い時間流すときは、さらに控えめにしておくと安心です。
夜中に目が覚めたとき、音が大きく感じます。
深夜は周囲の物音が減るぶん、同じ音量でも大きく感じられることがあります。眠りに入るまでの時間だけ鳴らして自動で止まるようにしておくと、起き上がって音を止める必要がなくなります。
出典・参考
- 厚生労働省 睡眠対策
- 厚生労働省 e-ヘルスネット 健やかな睡眠と休養
- 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(PDF)
ご注意
この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。
眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。