ブラウンノイズとは|ホワイト・ピンクとの違いと、低い音の聞こえ方
ホワイトノイズ、ピンクノイズと来て、もうひとつよく名前の挙がるのがブラウンノイズです。3つはまったく別の音というより、同じものさしの上に並んだ3点で、ブラウンノイズはそのいちばん低い側にあたります。このページでは、ブラウンノイズがどういう音なのか、ほかの2つとどこが違うのか、そして低い音ならではの気をつけどころを整理しました。
- ブラウンノイズが「1オクターブで約6デシベル」下がる、低い側に寄ったノイズであること
- ホワイト・ピンクとの位置関係と、名前の由来がブラウン運動であること
- 低い音ならではの部屋での広がり方と、夜に流すときの音量・タイマーの決め方
ブラウンノイズとは、低い側に成分がかたよったノイズです
ブラウンノイズとは、周波数が高くなるほど成分が急に少なくなっていくノイズのことです。減り方には決まりがあって、周波数が2倍になる(1オクターブ上がる)ごとに、およそ6デシベルずつ下がります。音の重心が低いところにあるため、耳には「ゴー」という低くこもった音として届きます。
身近なものにたとえるなら、飛行機の機内でずっと鳴っている音、遠くの工事の地鳴り、エアコンの室外機が低くうなる音。どれも高い成分が削れて、低いうなりだけが残っている音です。
名前の由来は、色ではありません
ホワイトノイズやピンクノイズは、光の色にたとえた呼び名です。ところがブラウンノイズだけは、茶色から来ていません。水に浮かんだ微粒子が不規則に動く「ブラウン運動」を報告した人物の名前が、そのまま音の呼び名になったものです。
そのため、英語では Brownian noise と書かれることもあります。色の系列だと思って「白・ピンク・茶色」と並べても話は通じますが、由来だけは別物だと知っておくと、資料を読むときに混乱しません。
レッドノイズという呼び名もあります
光でいえば低い側=赤い側に寄っていることから、レッドノイズと呼ばれることもあります。指しているものは同じです。音の呼び名は分野によって揺れがあり、機器や配信サービスによって「ブラウン」「ブラウニアン」「レッド」が入り混じっています。
名前で見分けようとするより、実際に鳴らしてみて「ゴー」と低く聞こえるかどうかで判断するほうが確実です。同じ「ブラウンノイズ」という名前でも、作り方によって低さの度合いはずいぶん違います。
ホワイト・ピンクとの違いを、並べて見る
3つは別々の音というより、同じものさしの上にある3点です。高い成分をどれだけ残すかの違いだけで、ホワイト、ピンク、ブラウンの順に高い側が削れていきます。
| くらべる点 | ホワイトノイズ | ピンクノイズ | ブラウンノイズ |
|---|---|---|---|
| 成分の減り方 | 減らない(周波数あたり均等) | 1オクターブで約3デシベル | 1オクターブで約6デシベル |
| 耳に届く印象 | 「シャー」と高め | 「ザー」と丸め | 「ゴー」と低く重い |
| 似ている身近な音 | 砂嵐、エアコンの送風 | 強い雨、遠くの滝 | 飛行機の機内、地鳴り |
| 気をつけたい点 | 上げると耳が疲れやすい | 音源で質感の幅が大きい | 隣の部屋へ伝わりやすい |
ピンクノイズの「1オクターブで約3デシベル」という並びは、1/fゆらぎという言葉で語られることもあります。ブラウンノイズは、そこからもう一段だけ低い側へ寄せた音だと考えると、位置がつかみやすくなります。
それぞれの成り立ちはホワイトノイズのページとピンクノイズのページで扱っています。このページでは、ブラウンノイズならではの「低い音であること」から先を見ていきます。
低い音は、部屋のなかでこう振る舞います
ブラウンノイズを扱いにくくもし、たよりにもさせているのは、低い音そのものの性質です。
- 回りこみやすい。低い音は波長が長く、家具や壁を回りこんで部屋じゅうに広がります。音の出どころが分かりにくくなるぶん、空間全体が満たされるような聞こえ方になります。
- 隣に伝わりやすい。同じ理由で、低い音は壁や床を通って隣の部屋にも届きます。集合住宅では、自分に聞こえている以上の音が外へ出ていると考えておくほうが安全です。
- 機器によって出方が変わる。スマートフォンの小さなスピーカーは、低い音をほとんど鳴らせません。同じ音源でも「ゴー」の部分が出ず、上のほうの音だけが残ることがあります。
スピーカーとイヤホンで、印象が変わります
イヤホンやヘッドホンは、耳のすぐそばで低いところまで鳴らせます。そのため、スピーカーで聞いたときよりずっと重く、こもって聞こえます。スピーカーでちょうどよかった音量をそのままイヤホンへ持ちこむと、たいてい大きすぎます。
やっかいなのは、低い音は大きくても「うるさい」と感じにくいことです。感じにくいだけで、耳を使っていることに変わりはありません。耳の負担は音量と時間の掛け算で決まりますから、イヤホンで長く流すなら音量はさらに下げておくほうが安心です。
「ブラウンノイズがいい」という話を、どう受けとめるか
ここ数年、動画や音声の配信サービスでブラウンノイズが取り上げられることが増えました。落ち着く、まわりの音が気にならなくなる、という声も見かけます。
いっぽうで、そうした声の多くは個人の感想です。低い連続音が、どの人にも同じように働くと確かめられたわけではありません。実際、低くこもった音が苦手で、しばらく聞いていると頭のあたりが重く感じるという方もいます。
確からしいことを1つだけ挙げるなら、切れ目のない音が鳴っていると、単発の物音は目立ちにくくなるという点です。これはマスキング効果と呼ばれる、音の聞こえ方の性質です。ブラウンノイズに向いているのは、この意味で部屋の音をならす役割であって、それ以上を期待すると当てが外れます。
合う・合わないは、耳と部屋と、その日の気分で変わります。評判で選ぶより、同じ音を数日続けてみて耳が引っかからないかどうかで決めるほうが確実です。
夜に流すときの決めごと
どのノイズを選ぶかと同じくらい、どう流すかで印象は変わります。決めることは2つだけです。
音量は、低い音ほど控えめに
目安は、意識を向ければ聞こえるけれど、ぼんやりしていると気づかないくらい。そして音量は、必ず布団に入ってから決めてください。立って操作しているときの耳と、枕に頭を預けたときの耳では、聞こえ方が変わります。
ブラウンノイズの場合は、そこにもう一段の注意が要ります。低い音は自分の耳には控えめに感じられても、壁の向こうには届いています。夜遅くにスピーカーで流すなら、ふだんより一段下げておくくらいでちょうどよいでしょう。
タイマーは寝つくまでの時間に合わせる
朝まで流したままにすると、夜中に目が覚めたときにも音が鳴り続けています。ふだん布団に入ってから眠るまでにかかる時間を思い浮かべて、それより少し長めを選ぶのが目安です。
音がぷつりと切れると、その瞬間に気づいてしまいます。終わりがゆっくり小さくなっていくタイプのほうが、切り替わりには気づきにくくなります。「ひつじの添い寝」のスリープタイマーはオフ/15/30/45/60/90分から選べ、終わりは約30秒かけてゆっくり音が消えます。
ブラウンノイズにできること、できないこと
最後に、正直な線引きをしておきます。
できること。部屋の音環境をある程度そろえて、単発の物音を目立ちにくくすること。毎晩おなじ音を流すことで、「これから眠る時間だ」という区切りを自分に作ること。そして、静かすぎる部屋で考えごとばかりが大きくなってしまう夜に、耳の置きどころを用意すること。
できないこと。音そのものが眠りを作ってくれるわけではありません。ブラウンノイズは、部屋の音環境を整えるための道具のひとつです。眠りは、光の浴び方や食事・運動の時間、日中の過ごし方など、生活全体とつながっています。一般的な情報は、厚生労働省のe-ヘルスネットや睡眠対策のページで確認できます。
ホワイト・ピンク・ブラウンと行き来してみて、どれもしっくり来ないようなら、ノイズ以外の音へ移るほうが早いこともあります。人工の音より、雨や滝のような自然の音、よるの列車のような生活の音のほうが落ち着くという方は少なくありません。
そして、眠れない状態が続いているときや、日中の生活に支障が出ているときは、音の工夫だけで抱えこまず、医療機関にご相談ください。
よくあるご質問
ブラウンノイズとピンクノイズは、何が違いますか。
高い成分の減り方が違います。ピンクノイズは周波数が2倍になるごとにおよそ3デシベル、ブラウンノイズはおよそ6デシベル下がります。そのぶんブラウンノイズのほうが低い側に重心があり、「ゴー」と低くこもって聞こえます。ピンクノイズは「ザー」と丸い印象です。
ブラウンノイズは、スマートフォンのスピーカーでも同じように聞こえますか。
同じようには聞こえません。小さなスピーカーは低い音をほとんど鳴らせないため、ブラウンノイズの持ち味である低い成分が抜け落ちて、上のほうの音だけが残ることがあります。低いところまで聞きたいときは、イヤホンか、ある程度の大きさのスピーカーが必要です。
「ひつじの添い寝」にブラウンノイズは入っていますか。
ブラウンノイズそのものは収録していません。ただ、「よるの列車」のように、低い成分を含んだ切れ目の少ない環境音があります。人工のノイズより自然の音や生活の音のほうが落ち着くという方もいますので、聞きくらべてみてください。
出典・参考
- 厚生労働省 e-ヘルスネット 健やかな睡眠と休養
- 厚生労働省 睡眠対策
- 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(PDF)
ご注意
この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。
眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。