入眠儀式とは|眠る前の「いつもの流れ」を指す言葉
「入眠儀式」という言葉を、子育ての情報や眠りの話題で見かけたことがあるかもしれません。字面はものものしいのですが、指しているのは毎晩の「いつもの流れ」です。ここでは言葉の意味と、公的な資料での書かれ方をやさしく整理します。
- 入眠儀式とは、眠る前に決まった行動をくり返すことを指す言い方であること
- 子どもの寝かしつけの場面でよく使われ、大人にも同じ考え方が使われること
- 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、この言葉そのものは出てこないこと
入眠儀式とは
入眠儀式とは、眠りにつく前に、毎晩だいたい同じ行動を同じ順番でくり返すことを指す言い方です。歯をみがく、部屋の明かりを落とす、同じ音楽を流す——そうした日常の動作の並びを、ひとつのまとまりとして呼んだものです。
「就寝前のルーティン」「ねんねルーティン」と言いかえられることもあります。医学の専門用語として公的な資料に定義が載っている言葉ではなく、育児や暮らしの話題のなかで広く使われている言い方です。
「儀式」といっても、特別なことではありません
儀式という字は大げさですが、中身はごくふつうの動作です。特別な道具も作法もいりません。大切なのは、だいたい同じ時間帯に、だいたい同じ順番でくり返される点だと説明されることが多いようです。
入眠儀式=眠る前の「いつもの流れ」。何をするかより、くり返されることに重きを置いた言い方です。
子どもの寝かしつけで使われることが多い言葉
この言葉をよく見かけるのは、子どもの寝かしつけの場面です。おふろに入る、パジャマに着がえる、部屋を暗くする、絵本を読む、子守唄を流す。毎晩この順番をたどることで「そろそろ寝る時間だ」という見通しが立ちやすくなる、という文脈で使われます。
同じ考え方は、大人の夜の過ごし方についても語られます。
公的な資料では、どう書かれているか
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を通して探しても、「入眠儀式」という言葉そのものは出てきません。
ただし、寝る前の過ごし方については、同ガイドに次のように書かれています。
就寝前にリラックスし、無理に寝ようとするのを避け、眠気が訪れてから寝床に入ると入眠しやすくなる。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より)
同じガイドには、寝床に就く前に少なくとも1時間は家事や仕事、勉強に追われずリラックスする時間を確保することが有効だとも書かれています。デジタル機器を寝室に持ち込まないこと、就寝の約1〜2時間前の入浴にも触れられています。
入眠儀式という言い方は、こうした「寝る前の過ごし方」をひとまとめにした、生活のなかの呼び名だと考えるとわかりやすくなります。
よくある2つの誤解
「決めたとおりにできないと意味がない」
順番を守れなかった夜を失敗と受けとると、かえって気持ちが張ってしまいます。ガイドにも「無理に寝ようとするのを避け」とあります。できない日があってよい、くらいの余裕をもたせたほうが続けやすいようです。
「始めれば、眠くなくても眠れる」
流れをたどれば必ず眠くなる、というものではありません。ガイドでは、眠気が訪れてから寝床に入ること、なかなか寝つけないときはいったん寝床を離れ、眠気が訪れてから寝床に戻ることが挙げられています。
自分の「いつもの流れ」を見つける
難しく考えず、すでにやっていることを並べ直すところから始められます。
- 寝る時刻と起きる時刻を、おおよそそろえてみる
- 寝る前の1時間は、用事を持ちこまない時間にしてみる
- 部屋の明かりを少しやわらげる
- スマートフォンやタブレット端末は寝室に持ちこまない
- 気持ちが落ち着く音を、小さめの音量で流してみる
順番が決まってくると、その流れ自体が「そろそろ休む時間」の目印になっていきます。羊を数える習慣も、こうした流れのひとつとして語られます。くわしくは羊を数える方法のページもあわせてご覧ください。
よくあるご質問
入眠儀式は、毎晩まったく同じでないといけませんか。
決まりのある言葉ではないため、同じでなければならないというルールはありません。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、就寝前にリラックスし、無理に寝ようとするのを避け、眠気が訪れてから寝床に入ると入眠しやすくなる、と書かれています。できない日があることを気に病むより、できる範囲でくり返すほうが続けやすいようです。
入眠儀式は子どもだけのものですか。
寝かしつけの話題で使われることが多い言葉ですが、大人の就寝前の過ごし方について使われることもあります。同ガイドには、寝床に就く前に少なくとも1時間は家事や仕事、勉強に追われずリラックスする時間を確保することが有効だと書かれています。
どのくらい続ければ身につきますか。
何日で身につくといった目安は、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には示されていません。日数を数えるよりも、寝る時刻と起きる時刻をおおよそそろえるところから始めるほうが、生活のリズムはととのえやすくなります。眠れない状態が続くときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。
出典・参考
- 厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023(本文中の引用箇所)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット 健やかな睡眠と休養
- 厚生労働省 睡眠対策
ご注意
この記事は一般的な情報をまとめたものであり、病気の診断・治療・予防を目的としたものではありません。アプリ「ひつじの添い寝」は医療機器ではなく、症状の改善や治療を行うものでもありません。
眠れない状態が続くとき、日中の生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えこまず医療機関にご相談ください。